2015.09.01
「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル~SAS対策の必要性と活用~」について
「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル
~SAS対策の必要性と活用~」について
居眠り運転や眠気に起因した漫然運転による事故の防止を図るためには、適切な運行管理により過労防止を図るとともに、点呼等において、安全な運転ができないおそれがあるような疲労や睡眠不足状態がないかを常に注意していく必要があります。
一方、居眠りに至る過度な眠気をきたす様々な病気があることが知られており、これらに起因した居眠り運転を防止する観点から、早期発見・早期治療の取組みが重要です。その中で「睡眠時無呼吸症候群」(Sleep Apnea Syndrome:SAS。以下「SAS」という。)については、「事業用自動車の運転者の健康管理マニュアル」(平成22年7月1日策定、平成26年4月18日改訂。以下「健康管理マニュアル」という。)において、SASスクリーニング検査を推奨検査とし、「「睡眠時無呼吸症候群」に注意しましょう!」(平成15年3月策定。平成19年6月改訂。以下「SASマニュアル」という。)たいうマニュアルを活用する等して、SASの周知と早期発見・早期治療に努めてきたところです。
SASマニュアルを改訂し8年が経過したところであり、今般、この間に得られた知見や運用等の具体化も踏まえ、当該SASマニュアルを全面的に見直し、題目を標記題目と改め、SASの早期発見・早期治療について、再度徹底することとしましたので、SASに起因する居眠り運転や漫然運転による事故の防止を図るため、別添資料(自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル~SAS対策の必要性と活用~)及び下記事項について周知徹底をお願いします。
記
- 1.別添資料「自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル~SAS対策の必要性と活用~」を活用し、SASの早期発見事早期治療の重要性について、運転者、運行管理者及び人事・労務担当者等全ての関係者に周知すること。
- 2.SASは生活習慣と大きく関係のある疾病であることから日頃からの健康管理教育の徹底を運行管理者等に促すこと。
- 3.SASであっても日中に強い眠気を感じない人がいることが様々な研究でわかっており、SASの早期発見のため、日中に強い眠気を感じない運転者も簡易なスクリーニング検査を受診するよう努めること。
- 4.スクリーニング検査でSASの確定診断のための精密検査が必要と判断された場合には、精密検査を受けるとともに、SASと診断された場合には、適切な治療を受けるよう当該運転者を指導すること。
- 5.SASであっても、早期に発見し適切な治療をすれば、SASでない者と全く同様な乗務が可能であることを理解し、SASと判明したからといって乗務からはずすなどの差別的な扱いをしないこと。差別的な扱いを避けるためにSASであることを隠し、治療を受けないで運転業務を続けることが最も危険な状態であることを理解すること。
- 6.SASと診断された運転者の就業上の措置の決定や点呼時の乗務可否判断の目安に関しては「健康管理マニュアル」を併用するとともに、担当医及び産業医等と密に情報共有を行うこと。
- 7.なお、SAS以外にも、居眠り運転や眠気に起因した漫然運転と関連した様々な病気があることが知られており、原因不明の過度な眠気がある場合には、これらの早期発見・早期治療の観点からも、専門医療機関への受診が重要であることを理解すること。
別添
・自動車運送事業者における睡眠時無呼吸症候群対策マニュアル~SAS対策の必要性と活用~(PDF 5.5MB)