2012.09.05
エンジンオイルの劣化による車両火災について
- ● 自動車メーカーから報告のあった自動車の事故・火災情報を統計的にとりまとめた「事故・火災情報の統計結果について(平成22年)」によると、装置別の火災情報件数が最も多いのは、原動機の163件。
- ● 原動機から発生する車両火災は、一般的には点検整備の未実施によるエンジンオイルの劣化が多いと考えられる。
- ● このため、「使用過程車の保守管理に関する調査分析検討会」では、再現実験により車両火災に至ることを確認するとともに、その結果を踏まえ、ユーザーへの注意喚起に係るポイントをとりまとめた。
オイル劣化について
- ● 最近の自動車を取り巻く状況としては、全ての車種で長期使用化が進んでいることから、トラックやマイカー等の様々なタイプの自動車において、エンジンオイルの劣化について注意が必要になっている。
- ● また、一般的にエンジンを短時間使用するだけでは、エンジンオイルは劣化しないとは考えられがちであるが、自動車を長期間使用する場合だけでなく、エンジンが十分温まらない短時間の使用においてもエンジンオイルの劣化は進行する。
- ● 最近では、エンジンとモーターを状況等により交互に使用するハイブリッド自動車や、信号待ち等でエンジンを停止させるアイドリングストップ機能を備えた自動車も市場に出てきており、そのようなエンジンの使用においても、エンジンオイルの劣化について注意が必要である。
- ● こうした背景を踏まえれば、エンジンオイルの劣化による車両火災は、トラックやマイカー等の様々なタイプの自動車や使用状況において発生する可能性があることをユーザーが認識し、点検整備を適切に行うことが重要である。
オイル劣化による車両火災の再現実験
- ● 再現実験により、車両火災に至ることを確認した
ユーザーへの注意喚起に係るポイント
- ● 上記を踏まえ、以下のとおりユーザーへの注意喚起に係るポイントをまとめた。
- ① エンジンオイルの劣化は、自動車を長期間使用する場合だけでなく、エンジンが十分温まらない短時間の使用においても進行するため、トラックやマイカー等の様々なタイプの自動車について、その使用状況に関わらず、エンジンオイルの量と汚れを日常点検によりチェックすることが必要であること。
- ② エンジンオイルが劣化している状態でエンジンを使い続けていると、最悪の場合、エンジンが焼き付き、火災が発生するおそれがあることから、エンジンオイルは、一定の期間又は一定の走行距離ごとに交換が必要になること。